激辛ブーム拡大、漬物に「しびれる鍋」 京都の夏をホットに刺激

 香辛料をたっぷり使った激辛食品のブームが続く中、京都でも漬物店やホテルが相次いで辛口の商品を企画開発している。目の覚めるような辛さが、蒸し暑い京都の夏を乗り切る刺激になっている。

 京漬物の老舗・大安(京都市左京区)は今夏、激辛と超激辛味の漬物を開発した。定番の「味すぐき」や「しその実漬」などに、メキシコ原産でタカノツメの10倍の辛さのトウガラシ「ハバネロ」を使用した「激辛味」と、インド原産でハバネロの2倍の辛さのトウガラシ「ブートジョロキア」を混ぜた「超激辛味」を8月末まで売り出している。

 漬物の激辛化は初の試みだが、「京都は七味が好まれ、『辛いもの文化』が根付いている」(広報)と判断。辛いもの好きの女性社員が発案し、3カ月かけて開発した。同社は「味にうるさい京都人に認められる本物の激辛」とPRする。

 京都新阪急ホテル(下京区)は、スパイスのきいた料理をそろえたランチビュッフェをレストラン「ブールヴァール」で企画し、9月2日まで提供している。舌がしびれるような辛さで人気の「麻辣(マーラー)鍋」が食べ放題と話題だ。ピリ辛のエスニックトマトリゾットやレッドスープカレーも取り入れた。同ホテルは「今夏はトレンドの辛さを取り入れた。若い人に来てほしい」という。

 スパイスの可能性を追求する京都大カレー部も、最近はメニュー開発や講演に引っ張りだこ。今月は「朝活イベント」として、栄養学的にも生化学的にも朝に食べるのが理想的なカレーを紹介した。

 農学部2年の丸田草太部長は「しびれるような新しい風味が人気だったり、新品種のトウガラシに挑んだり、辛さが多様になっている。スパイスカレーの面白さも知ってもらいたい」と話す。

 辛口の即席カップ麺やうどん商品を拡充している日清食品ホールディングスによると、激辛商品はストレスの強い20代男性、うまみも強い「うま辛」はストレスがありつつも活動的な女性がメインの購買層という。「うまみやコクが感じられる『うま辛』な味わいが広く支持されている。酸っぱくて辛い、しびれる辛さなどの激辛ブームのまっただ中でもあり、辛いものに対する需要は高まっている」と分析している。

大安の今夏の新商品、激辛・超激辛味の漬物(京都市左京区・大安本店)
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2019年08月24日 18時15分