https://www.bbc.com/japanese/49479596

ハリケーンに核爆弾投下、トランプ氏が提言? 米メディア
2019年08月27日

ハリケーンを核爆弾で吹き飛ばせないか――。アメリカのドナルド・トランプ大統領がそんな発言をしたと、米ネットメディアが26日報じた。これを受け、米海洋気象当局は「いい考えではない」と表明した。

アメリカでは毎年6月から11月にかけ、大西洋上で発生したハリケーンの上陸により、死傷者や家屋損壊などの深刻な被害が出ている。

米ニュースサイト・アクシオスによると、トランプ氏は国家安全保障担当の複数のスタッフに対し、ハリケーンの目に核爆弾を投下して上陸を防げないか尋ねたという。
トランプ氏は、核爆弾の使用を提言したことはないと否定している。

報道を受け、ソーシャルメディアでは「#ThatsHowTheApocalyseStarted (こうして世界の終わりは始まった)」というハッシュタグが拡散した。

膨大なエネルギーが必要

アクシオスの報道を受け、アメリカの海洋大気局(NOAA)はハリケーン対策に核爆弾を使うことについて、「破滅的な」結果につながるとする説明をウェブサイトに掲載した。

NOAAは、核爆弾を使用しても「嵐を変化させることすらできないかもしれない」と指摘。「貿易風によって放射性降下物が急速に移動し、陸上に影響を及ぼすだろう」と説明した。

また、ハリケーンが発する熱量は、1000万トン級の核爆弾を20分ごとに爆発させた場合に匹敵すると解説。ハリケーンを変化させるためには膨大なエネルギー量が必要で、爆弾では困難だと述べている。
さらに、仮に爆弾のエネルギー量がハリケーンに匹敵したとしても、「陸から離れた大西洋の真ん中でそのエネルギーを一点に集中させるのは、たとえ半分でも難しい」と語った。

一方、NOAAによると、「ハリケーンになる前の熱帯低気圧を攻撃するのも期待できない」という。
「大西洋では毎年80個ほどの低気圧が発生し、そのうちハリケーンになるのは例年わずか5個ほど。どの低気圧が発達するかを予測することはできない」
(リンク先に続きあり)

https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/2CB0/production/_108504411_gettyimages-852436.jpg