https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190903/k10012060821000.html

太平洋クロマグロの漁獲量 上限引き上げ提案認められるか焦点
2019年9月3日 4時05分
シェアするhelptwitterfacebookline
太平洋のクロマグロの漁獲量について話し合う国際会議が、アメリカで始まります。漁獲量の上限を引き上げる日本の提案が認められるかが焦点となります。

太平洋のクロマグロは資源が減少し、国や地域ごとに年間で漁獲できる量が規制されています。

その漁獲量を話し合う国際会議が、アメリカ西部のポートランドで3日から始まり、日本やアメリカなど10の国と地域の代表が出席する予定です。

この会議で日本は、2010年を底に資源の回復傾向が続いているとして、みずからの漁獲量の上限を最大で現在より15%多い1万200トン余りに引き上げるよう提案しています。

日本としては、成長の途中にある30キロ未満の小型のマグロの割合を抑えることで資源への配慮を強調し、各国の理解を得たい考えです。

しかし、クロマグロの資源はいまだ回復の途上にあるとして、アメリカなどからは反対が予想されています。

日本は資源回復は十分見込めると主張

「クロマグロ」は本マグロとも呼ばれ、マグロの中で最も高級とされ、すしネタや刺身として高い人気があります。

このうち、日本の近海を含む太平洋で漁獲される「太平洋クロマグロ」は、日本で消費されるクロマグロの6割を占めていますが、資源が大きく減少しています。

国際的な研究機関によりますと、調査の対象となっている30キロ以上のクロマグロの資源は、2010年に1万2000トンまで減少し、ピークだった1961年の10分の1以下に落ち込みました。

国際的な管理に取り組むなどした結果、資源は増えつつあり、太平洋のクロマグロを管理する国際会議では、2024年までに4万3000トンまで回復させることを当面の目標に掲げています。

2016年の最新の調査では、資源は2万1000トンと目標の半分近くに増え、研究機関の推計では、今の漁獲規制を続ければ、99%の確率で目標を達成できると見込まれています。

このため日本としては、漁獲量の上限を一定程度引き上げても、資源の回復は十分見込めると主張し、各国に理解を求めたいとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190903/K10012060821_1909030013_1909030405_01_02.jpg