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「憲法、同性婚否定せず」 内縁カップル巡る訴訟で判決
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平賀拓史、北沢拓也、若井琢水、山下知子
2019年9月18日21時21分

 米国で結婚して国内で同居していた同性カップルの30代女性が「パートナーの不貞行為によって破局した」として相手の女性らに約640万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、宇都宮地裁真岡支部であった。中畑洋輔裁判官は「同性カップルでも内縁関係とみなせる実態があれば、法的保護を受けられる」との判断を示し、相手の女性に慰謝料など110万円の支払いを命じた。同性カップルの内縁関係に法的保護を認めた初の判決とみられる。

 判決は、婚姻が両性の合意のみに基づいて成立するとした憲法24条についても検討。「制定当時は同性婚を想定していなかったにすぎず、否定する趣旨とは言えない」と述べ、「24条は同性婚を想定していない」とする政府とは異なる解釈に踏み込んだ。

 婚姻届を出さずに暮らす男女の内縁関係については、1958年の最高裁判決が「婚姻に準ずる関係」と明示。不当に破棄された場合は損害賠償を求めることができるとしており、裁判ではこの判例が同性カップルにも適用できるかが争点となっていた。

 判決は、社会の価値観や生活形態が多様化したことを挙げ、「婚姻を男女間に限る必然性があるとは断じがたい」と指摘。同性カップルを公的に認証する自治体が現れている社会情勢なども踏まえ、「同性カップルに一定の保護を与える必要性は高い」とした。

 その上で、カップルの実態が内縁関係と同視できれば「内縁関係に準じた法的保護を受けられる」と判断。今回のケースは、約7年間にわたって長期間の共同生活をしていたほか、米国で結婚したことなどを理由に「内縁関係と同視できる」と認めた。

 一方、賠償額は、同性婚が現状…

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