ツイッターで公開された脂身たっぷりの肉(現在はアカウントごと削除)
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20191022-00000018-pseven-000-view.jpg

高級牛肉を期待して「ふるさと納税」したのに、届いたのは“脂身の塊”だった……この数週間のうちに、そんな「返礼品」を巡るトラブルが続発していた。

宮崎県美郷町の返礼品「宮崎県産黒毛和牛薄切り800グラム」を巡って10月5日、受け取った都内の男性がツイッターに、パック詰めにされた脂身だらけの肉の写真を公開。美郷町は謝罪に追い込まれた。
.
この返礼品を発送した食肉加工業者の広報担当者がこう説明する。
.
「加工担当者が多くの業務に追われ、商品として誤った状態のものが発送されてしまいました。代替品もしくは返金という形で対応を進めています」
.
鹿児島県いちき串木野市の返礼品「鹿児島県産黒毛和牛肩バラ スライス1キロ」でも、「脂身が多い」「発送が遅い」などの苦情が計100件ほど寄せられ、10月10日に市が謝罪した。
.
なぜ同じようなトラブルが続くのか。ふるさと納税専門サイト『ふるさと納税ナビ』の内田綾子編集長が指摘する。
.
「ブームが過熱するなか、限られた人員でふるさと納税を担当している自治体では、どうしても管理が行き届かないケースがあります。一方で業者側も『(返礼品の調達価格は)寄付金の3割』という厳しい規制のなかで、コストを削りながら多くの発注に応えようと無理を重ねる。その歪みが現われたのではないでしょうか」
.
“粗悪返礼品”を避けるにはどうすればいいのか。
.
「生鮮食品はどうしても品質が変化しやすく、今回のようなトラブルに巻き込まれるリスクが生じる。同じ食品でも加工品や酒では起りにくいし、家電などの工業製品は品質がほぼ均一なので粗悪品が送られてくるケースは少ない。もちろん、最も品質に差がないのは“金券”ですが、規制強化により数が大きく減っているのが現状です」(同前)
.
ブーム過熱とそれに伴う規制強化のなかで、返礼品選びの常識にも確かな変化がある。
.
※週刊ポスト2019年11月1日号

10/22(火) 16:00
NEWS ポストセブン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191022-00000018-pseven-life