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石油ないが水はある 遺跡沈めてダム造り、トルコの戦略
ハサンケイフ=其山史晃2019年11月9日15時00分

 1万2千年の歴史を持つ町が水に沈もうとしている。トルコ南東部のチグリス、ユーフラテス川上流域でダムの建設が進められているためだ。(ハサンケイフ=其山史晃)

 トルコ南東部のバトマン県中心部から南東に約30キロ離れたハサンケイフ。チグリス川に面した山肌に無数の穴が見える。ハサンケイフ市議のルドワン・アイハンさん(56)によると、この地方では1970年代まで大半の住民が洞窟で暮らしていた。

 「中世のキリスト教会だったようだが、調査は手つかずです」。アイハンさんは洞窟内の壁に彫られた十字架のような模様を指さした。その下の洞窟に直径50センチ、奥行き2メートルほどの七つの空洞が並び、人骨が散らばる。聖職者の墓と考えられている。
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