2019年11月26日の07:58に瀬戸内海中部でM3.8・震度3の地震が発生した。
瀬戸内海中部では11月上旬にも今回の震源近くで2回の地震が起きていた。
この時の揺れは14ヶ月ぶりであったが、今回の地震は瀬戸内海中部における震度3以上としては20年ぶり。
過去の事例ではその後南海トラフ関連においてM5?M6クラスの地震が起きていた例が多数であった。

瀬戸内海中部でまた地震、20年ぶりとなる震度3以上の揺れ
2019年11月26日07:58 M3.8 震度3 瀬戸内海中部(深さ約10km)

瀬戸内海中部における有感地震としては1922年以来73回目。
年に1回未満と地震の少ない場所だが、2019年は11月08日にも2回、短時間の間にM3.1・震度1とM3.2・震度2が連発したばかり。この時の地震は2018年09月以来14ヶ月ぶりであった。

そして今回、M3.8ながら震度3を記録したが、瀬戸内海中部で震度3以上を観測したのは1999年10月30日のM4.6・震度4以来20年ぶりなのだ。
従って今回の地震は瀬戸内海中部としては非常に珍しい揺れであったと言える。

今回の震源は11月08日の2連発にも近い位置で起きたが、付近に目立った活断層は確認されていない。
前回、過去の類似事例を2つ紹介し「どちらも南海トラフに関連する場所で注目すべき地震が記録されていた」と指摘したところ、11月22日に日向灘でM5.2・震度3 [2]が発生している。
そこで今回改めて若干広い範囲でこれまでに発生してきた瀬戸内海中部における有感地震8例を抽出し、その後2ヶ月間の国内発震を追跡したところ、顕著な特徴が浮かび上がった。

過去事例で際立っていた南海トラフ関連M5〜M6クラス

類似事例として位置付けられる11月08日の2連発と今回のM3.8・震度3から近い場所で過去に発生してきた8例中、
その後2ヶ月以内に南海トラフ関連でM5以上の地震が起きていたケースが8例中8例と全てであった他、
M6クラス以上となった事例も8例中3例、また震度4以上を記録していたのが8例中6例で震度5弱以上も3例確認されたのである。

1.5ヶ月後に豊後水道でM5.0・震度5強、約2ヶ月後に九州地方南東沖でM5.2・震度1、
1ヶ月後に愛知県東部でM5.0・震度4、その後紀伊水道でM5.4・震度4など1ヶ月以上経過してからの発震もあった一方で、直近で揺れていた事例も複数に達している。

1936年には瀬戸内海中部から2日後に静岡県中部M5.4・震度3、その6日後にも三重県中部M5.8・震度1。1959年には9日後に島根県東部でM5.0・震度3、その後安芸灘でもM5.4・震度4が起きていた。
更に2002年の事例では11月04日の00:01に瀬戸内海中部でM3.1・震度1が発生するとわずか半日後の13:36に日向灘でM5.9・震度5弱という地震へと繋がっていたのである。

他にも2013年には約3週間後に淡路島付近でM6.3・震度6弱が起きていたケースもあるなど、瀬戸内海中部において前回の2連発及び今回の地震が発生した際には、
その後南海トラフ関連へと波及するケースが多いと考えておく必要があるだろう。前回の地震では2週間後に日向灘でM5.2が記録された。
今回もM5からM6クラス以上への備えをしておいた方が良さそうだ。

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