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九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖―武雄温泉)を巡り、国土交通省が、佐賀県の意向を受けて
フル規格での整備を前提としない協議に応じる方向で検討していることが5日、分かった。
複数の与党議員が明らかにした。山口祥義知事と赤羽一嘉国交相は11日に都内で会談する日程で調整している。
膠着(こうちゃく)していた整備方式の議論が動き出す可能性が出てきた。

与党のプロジェクトチーム(PT)は8月、整備方式について「フル規格が適当」との方針をまとめ、
国交省に対して佐賀、長崎両県とJR九州の関係4者で協議の場を設けるよう求めていた。
佐賀県は「フル規格が前提の協議には応じられない」とし、実現の見通しが立っていなかった。

山口知事は、県が過去に合意してきた在来線を生かすスーパー特急、フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)、
リレー(対面乗り換え)方式の3方式なら「異論がない」としてきた。これまで検討したことのないフル規格や
ミニ新幹線を含めた「5択」の協議ならば、「ゼロベースから時間をかけて議論すべき」と主張している。

国交省は「与党が示したフル規格の方針を重く受け止める」との立場を示している。5択の協議の受け入れは、
事態を動かすために譲歩する形。ただ、佐賀県には協議の結論がフル規格に誘導されることへの警戒感も強く、
協議の枠組みが整った後も曲折が予想される。

山口知事と赤羽氏は10月28日に一対一で会談し、今後も政治家同士で協議を続けることを確認していた。
2回目となる11日の会談でも初回と同様、事務方を同席させない見通し。

山口知事は開会中の定例県議会一般質問で、赤羽氏との会談日程を調整中であることを明かし
「まずは国交省が考える協議の在り方がどういうものか確認しなくてはならない」と答弁していた。

与党議員の一人は「佐賀県が協議の席につけば前進だ」と述べ、国交省の検討に一定の理解を示した。
国交省関係者は「あくまで政治家同士の面会。事務方としてはコメントできない」とした。