今年3月、愛知県岡崎市で当時3歳の男の子が車にはねられました。
当初は意識があったことなどから軽傷と判断され警察発表されませんでしたがその後、男の子はいわゆる「脳死」状態に。
私たちもこの事故のことを知りませんでしたが、母親からのメールで知りました。
事故を起こした男性の初公判が開かれるのに合わせ母親の思いを取材しました。

事故の2日後には「脳死」状態に。

人見知りせず誰にでも笑顔を見せる男の子も初めての幼稚園は緊張していたといいます。
しかし、幼稚園に通えたのはわずか2か月でした。
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4歳の長男・未来(みらい)ちゃん。
一定のリズムを刻む人工呼吸器の音が今は生きている証です。
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母親の紗梨さん(29):
「相手の車がゆっくり当たったので未来はパタンと倒れて、そのあとタイヤが頭の上を通過しました」

事故が起きたのは今年3月。日曜日の午後3時ごろ。
父親(33)と当時3歳だった未来ちゃんは車で買い物に出かけた帰りに近所のレンタルビデオ店に寄りました。

助手席のジュニアシートに座っていた未来ちゃんを降ろした父親。
手をつないで駐車場を渡りますが車中に忘れものをしたと思い、ふと手を離したそのすぐあと、駐車場内を走っていた乗用車が未来ちゃんに衝突。
タイヤが未来ちゃんの頭をひいたのです。

母親の紗梨さん(29):
「救急車の中でも泣きながら何か喋っているなど意識があったみたいですが、私が病院に着いた時には意識が無いような状態でした」
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未来ちゃんは奇跡的に一命を取り留めたものの、脳へのダメージが大きく、2日後にはいわゆる「脳死」を宣告されました。
4月末には退院し自宅に戻ってきましたが、人工呼吸器をつけ、痰の吸引など24時間介護が必要です。
治療を行った病院は「今も生きているのが信じられない」と話しているといいます。

母親の紗梨さん(29):
「朝起きた時はまず未来の呼吸音を聞いて、未来を見て、「大丈夫、生きている」とホッとする。毎日この繰り返しです」


母親の紗梨さん(29):
「未来の人生はもう戻ってこない。私たちも未来と過ごす人生は一生戻ってこない。普通に大きくなって、学校に行って、結婚して、孫が出来て、当然のようにそんな未来がくると思っていたから『もう、やり直せないんだなぁ』と思うと悔しくて悲しいです」

当初警察は未来ちゃんに意識があったことなどから「軽傷」だと判断。
発表要件を満たしていないとして事故の報道発表はされていません。

母親の紗梨さん(29):
「入院中はテレビなど見る余裕もありませんでした。退院したあとテレビや新聞はおろかネットニュースにも載っていないことを知って愕然としました」

また、未来ちゃんをはねた40歳の男性について警察は証拠隠滅や逃走のおそれがないことなどから逮捕せず任意で捜査を行い事故から3か月後に書類送検しました。
9月に検察が過失運転傷害の罪で男性を起訴。原因は前方不注意でした。
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息子が必死に「生きる」ことで刑罰は…

名古屋地裁岡崎支部で5日に行われた初公判。
傍聴席には被告・被害者双方の親族の姿がありました。

裁判の冒頭、被告の男性は起訴内容を認めました。

その後、検察側が未来ちゃんの父親の調書を読み上げ、悲痛な思いが明かされました。

父親の調書より:
「手を離してしまった自分を何度も責めている」

続く被告人質問で、男性は弁護側の質問に対し「立ち止まる未来ちゃんがサイドミラーなどで死角になり見えなかった」と話しました。

裁判は今月25日、未来ちゃんの両親が法廷で想いを述べた後に結審します。

母親の紗梨さんは過失運転「傷害」で裁かれていることについて…

母親の紗梨さん(29):
「なんとか未来が頑張ってくれているうちに裁判をしてもらい、相手の方に罪を償ってほしいと思いここまでやってきた。ただ未来が生きていることで罪が過失「傷害」になって、過失「致死」と比べればどうしても刑罰が軽く済んでしまう。未来がこれだけ頑張って生きていることで罪が軽くなるというのはやっぱりどうにも納得がいかないです」

以下ソース先で

12/6(金) 16:50 CBCテレビ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191206-00010003-cbc-soci&;p=1
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20191206-00010003-cbc-000-view.jpg