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「就職氷河期世代」とされる30代半ばから40代半ばの人を対象に、兵庫県宝塚市は正規職員の採用試験を実施し、4人の合格者が決まった。同様の取り組みは県内に限らず、他県や国へと広がった。中川智子市長に採用に踏み切った思いや今後について聴いた。

――就職氷河期世代の正規職員の採用に踏み切った経緯は

 私の子どもたちの世代が、バブル崩壊後に大学を卒業した就職氷河期世代なんです。子どもの友達の中には卒業後、就職先がなく非正規社員となり、正規社員になりたいと望んでも非正規社員から抜け出せずにいる人たちがいます。とても優秀な人材なのに、10年、20年たっても正規社員になれるチャンスがない。そうした実情を聞き、なんとかできないかとずっと心の中にひっかかっていました。

 社会の中に一時期広がった「自己責任論」の空気の中で、非正規雇用から抜け出せずにいることに「努力が足りない」「もっと頑張らなきゃ」と自らを責めてきた人も多いのではないでしょうか。でも、これは個人の責任の問題ではありません。「大変なときに生まれて苦労したね」で済ませてはいけない、社会全体の責任です。

 朝日新聞で今年5月に連載した「ロスジェネはいま」で、就職氷河期世代の人たちが今なお不安定な生活に苦しんでいる状況を伝えていましたが、この記事がひとつのヒントになりました。安定した雇用が大切だと考え、この世代の人たちを市の正規職員として採用しようと決めました。
(リンク先に続きあり)

2019/12/12 14:20 朝日