自己啓発団体の参加者の親から、ありもしない幼少期の虐待被害で子供から金銭を要求されたとの相談が相次いでいる問題で、団体が参加者に対し、煙が充満する部屋に入らせるなどの儀式をハワイで行い、その間に繰り返し虐待の有無を尋ねていたことがわかった。大阪の弁護士は20日、弁護団を結成。団体が参加者を精神的に追い込んでマインドコントロールし、虚偽の虐待被害の記憶を植え付けたとみて、両親や元参加者を対象に相談を受け付ける。



 団体はハワイ在住の女性(57)が主宰する「アイシス・レインボーヒーリング」。約10年前から活動し、2015年にはメンタルトレーニングなどを目的とする関連法人「五次元スクール」を京都市内に設立した。

 弁護団と連携している「宗教トラブル相談センター」(京都市)には13年以降、団体関連の相談が約30件あった。訴訟も3件あり、判決はいずれも、参加者の訴えた虐待被害を「虚偽」と認定し、確定した。

 センターによると、口コミや主宰者らのブログを見て参加するケースが多い。「お電話セッション」(10分8000円)と称する悩み相談に申し込み、主宰者と話を重ねるうち、「クレンジング」と呼ばれる儀式に勧誘されるという。

 儀式はハワイで数日間あり、参加者はハーブのようなものがたかれ、煙が充満するシャワー室に入れられる。家族で参加すると別々に行動させられ、主宰者は親や配偶者をさげすむ発言を繰り返すという。

 センターには参加者からの相談もあり、主宰者から「過去に親から虐待を受けてないか」と何度も尋ねられ、「あなたは犠牲者。金をもらいなさい」と指示されたとの事例も複数あった。

 主宰者は取材に対し「記憶のすり込みなど無理だ。本人たちが思い出した。虐待は事実だ」と話している。

 弁護団の阪本敬幸弁護士は「周囲に被害を打ち明けられない家族も少なくない。相談を通じて実態把握に努めたい」としている。相談は、平日午前9時半〜午後5時半に関西中央法律事務所

2019/12/21 10:19
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