来年の東京五輪・パラリンピック直前に行われる東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)。焦点の一つは、再選出馬が確実視される小池百合子知事の表明時期だ。「対立候補に攻撃材料を与えないため、遅いほどいい」(都議)と、直前まで態度表明しない可能性が高い。対立候補擁立を目指す自民党都連や他の野党は「大きな争点が無い」(別の都議)こともあり作業は難航している。

小池氏の態度はあいまいだが「職員にとって再選出馬は織り込み済み」(都幹部)で、都議会第2回定例会で出馬表明する可能性が取り沙汰されている。通常定例会は6月中の開催だが、来年は五輪などで前倒しになりそうで、最終日の表明もあり得るという。
 知事選の争点は「小池氏にイエスかノーか、その1点のみ」(与党会派幹部)、「前回知事選の『政治とカネ』のような大きなテーマが無い」(野党会派議員)といった声が上がる。別の都幹部は「五輪直前に知事を替える雰囲気にはなりづらい」と指摘する。
 一方、自民党都連では「自薦他薦も含め複数の名前が挙がっている」(高島直樹幹事長)。現職国会議員やスポーツ関係者の名前がうわさされるが、「早くても5月の大型連休まではかかる」(都議)。知事選をめぐっては、安倍晋三首相が「小池氏に勝てる候補はいないのではないか」と発言したとされるが、都連は「聞いていない」と反発。首相は27日のBS番組収録で「まずは都連で議論をし、早めに決断し、結論を出してもらいたい」と語った。
 ただ二階俊博幹事長をはじめ党本部は小池氏を支持する意向。都議会自民党に「小池都政の検証」を行い、小池知事ではいけない理由を示すよう求めており、党本部と都連の溝は深まっている。
 立憲民主党をはじめ主要野党は統一候補を擁立する考えで、元官僚などを念頭に検討している。


2019年12月29日07時27分 時事通信
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