2019年は10月に消費税率10%への引き上げと軽減税率制度が導入されたほか、天候不順や台風などの自然災害が多く発生し、スーパーマーケット経営業者にとっても対応を迫られる年となった。帝国データバンクでは、2007年から2019年のスーパーマーケット経営業者の倒産動向(負債1000万以上、法的整理のみ)について、集計・分析した。

倒産件数は前年比42.9%増

 2019年のスーパーマーケット経営業者の倒産件数は2018年の21件を上回り、30件(前年比42.9%増)となった。2013年以降減少傾向で推移していたが、7年ぶりに前年比増加に転じた。多くが地域密着型の独立系スーパーマーケット経営業者で、競合他社との競争激化が倒産の背景にある。

 一方、負債総額は188億3000万円(同125.4%増)となり2018年の83億5500万円を大きく上回った。2019年1月に特別清算開始命令を受け、2007年以降2番目の大型倒産となった(株)広電ストア(広島県、負債約70億円)が全体を押し上げた。

スーパーマーケット倒産の約10%は「特別清算」 別企業や新会社に事業譲渡を行うケースが目立つ

 負債規模別にみると、負債「1億円未満」が10件(構成比33.3%)となったほか、負債「1億円〜10億円未満」が16件(同53.3%)となり、中規模の倒産が半数を占めた。また、負債50億円以上の倒産(広電ストア)が6年ぶりに発生した。

 態様別にみると、「破産」が25件(構成比83.3%)で最多となった。次いで、「特別清算」が4件(同13.3%)、「民事再生」が1件(同3.3%)となった。

 全業種全地域の倒産を態様別にみると「破産」は約90%以上、「特別清算」は約3%で推移しており、スーパーマーケット経営業者の倒産では2015年以降、特別清算の構成比が10%前後と比較的割合が高い特徴がある。別企業や新会社に事業譲渡を行うことでスーパーマーケットの運営を維持し、その後特別清算を行うケースが多い。「民事再生」は、アサノを運営する(株)アサノ(宮城県、負債約7億700万円)。


関東が7件でトップ 以下、北陸・東北が続く

 地域別にみると、「関東」が7件(構成比23.3%、内訳=栃木県2件、茨城県2件、群馬県1件、埼玉県1件、東京都1件)で最多となり、そのうち栃木県、茨城県で2件ずつ発生した。次いで、「北陸」の6件(同20.0%、内訳=富山県3件、新潟県2件、福井県1件)、「東北」の4件(同13.3%、内訳=宮城県2件、青森県1件、福島県1件)と続いた。都道府県別では富山県と愛知県の3件がトップ。9地域中6地域で前年比増加となった。

 業歴別にみると、「30年以上」が22社(構成比73.3%)で最多となった。次いで、「10〜20年未満」5件(同16.6%)が続き、業歴10年以上の企業が9割超を占めた。

 最も業歴が長かったのは1805年(文化2年)創業で業歴200年を超えるイタコ大黒天の遠峰酒造(株)(茨城県、負債約6億5000万円、特別清算)となった。


2019年は広電ストア、シヨツピングセンター池忠などが倒産

 負債が50億円以上の大型倒産は広電ストアの1社のみ。同社は東証2部に上場する広島電鉄(株)が100%出資するグループ会社として「マダムジョイ」5店舗の経営ほか移動販売車事業や不動産賃貸なども手がけていたが、2018年にイオングループのマックスバリュ西日本に事業を譲渡し、同年10月に解散、翌年1月に特別清算開始命令を受けた。

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全文はソース元で
1/8(水) 16:16配信
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