「一番福」目指して全力疾走 丸亀城福男選手権

 丸亀城(丸亀市一番丁)の大手門から天守に向かう急傾斜で知られる「見返り坂」で13日、傾斜10度の坂道を約100メートル駆け上がるタイムを競う「丸亀城福男選手権」が開かれた。市内外の小学生から70代までの男女95人が出場し、「一番福」を目指して息を切らしながら急坂を全力疾走した。

 福男選手権は、市観光協会が月ごとに実施しているおもてなしイベント「新春フェスタ」の企画として、今回初めて開催した。

 見返り坂は急な傾斜で、時々立ち止まって休憩しては後ろを振り返りたくなるため、その名前で呼ばれるようになったという。商売繁盛の神様「えべっさん」の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)を駆け抜け、十日えびすの参拝一番乗りを競う毎年1月10日の「福男選び」にあやかり、丸亀城の名所の見返り坂を舞台に企画を考えた。

 この日は小学1年生から73歳までが出場し、中には陸上クラブや陸上部に所属しているランナーも。高校生以上と中学生以下に分かれて2人ずつ、坂に設けたレーンを走った。

 歩いて登る人でも息が上がる急坂とあって、出場者は懸命に足を動かして前進し、ゴールに駆け込んだ。ゴール後はゼイゼイと息を切らし、「これはきつい」と言って両膝に手をつき、登ってきた坂を見返す人もいた。レーン沿いに並んだ多くの見物客は「頑張れ」と歓声を送った。

 「一番福」をつかんだのは、15秒50の最速タイムでゴールした善通寺一高3年の榎本匠さん(17)。陸上400メートルの選手で、冬休みの間に週の半分ほど見返り坂を走って練習したという。「優勝を目指していたのでうれしい。大学でも続ける陸上でいい結果を出し、応援してくれている人たちに感謝の気持ちを表すことで一番福に応えたい」と笑顔を見せていた。上位入賞者には丸亀の特産品セットが賞品として贈られた。

「一番福」になり、表彰式で笑顔を見せる榎本さん(中央)
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2020/01/13 18:12 四国新聞