エリート会社員の誤算

 加藤嘉明さん(仮名・退職時49歳)は、大手食品メーカーの営業畑一筋に、第一線で活躍し、社内外からの評価も高く、同期トップで管理職になりました。自他共に認めるエリートです。

 しかし、業界全体が低迷する中、会社全体の業績も芳しくなく、ここ数年は管理職の昇給停止や賞与カットが続くこともあり、将来を考えて転職を検討していた時に早期退職の募集が始まり、これは渡りに船とばかりに応募しました。

 元の職場で自分を高く評価してくれていた取引先からオファーを受けていたため、すんなりと転職に成功。当初は会社に見切りを付けて早期退職した自分の決断力と先見の明を周囲に自慢していましたが、バラ色の日々は長く続きませんでした。

 今までのように会社の看板がない営業で、思うような営業成績を上げることができません。また自己流の営業スタイルに固執し、新会社の社風に馴染もうとしない姿勢に部内でも反発が強まり、社内外で孤立してしまったこともあって、結果的にわずか半年で退職する羽目になってしまったのです。

 もともといたメーカーを退職してから1年経過した今もハローワーク通いを続けています。余談ですが、この結果、夫婦仲までもが修復困難なほど険悪化してしまいました――。
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若年化する退職勧奨

 ここ数年、多くの上場企業で「早期退職勧奨」が始まっています。約10年前にも同じような動きはありましたが、その当時の退職勧奨の対象年齢は、おおむね50代半ば以降の社員、つまり定年退職が視野に入った世代が主でした。

 ところが今回は、多くの企業において対象年齢が40代にまで「若年化」しています。主な企業だけでもファミリーマート、ノーリツ、アルペン、カシオ計算機といった著名な会社が、一般社員を含めた40歳以上、または40代を対象としています。

 私も現在は行政書士として活動していますが、以前は大手音響メーカーの社員で、11年ほど前に早期退職プログラムを利用して40代で独立・開業した一人です。

 そうした経験もあり、今では早期退職に関する相談に乗ることも多いのですが、なかには、冒頭で紹介した事例のように、早まって退職する前になぜ相談してくれなかったのか、と悔やまれる例も少なくありません。そこで、今回はそうした経験から、とくに大失敗した事例を紹介しつつ、それを反面教師に、早期退職プログラムをどう活用すれば良いか私なりのアドバイスをしたいと思っています。

 そもそもここにきて多くの企業が早期退職プログラムを打ち出している理由はどこにあるのでしょうか。

 企業側の視点でみますと、現在50代前後の世代は「年功序列の恩恵を享受する最後の受益世代」であり、社内では「分不相応な待遇」の中心と捉えられています。さらに国が今後「70歳定年制」を企業に課すような話もあるなか、会社側としても先手を打って「人員の抑制・選別」を図り、将来の負担増を最小限に留めたいと考えていると思われます。その結果が40代のスリム化と考えて間違いないでしょう。

 従業員の側に目を向ければ、いわゆるリストラ、圧迫面談のような意思確認を繰り返し実施され、不本意ながら応じるというケースが多い一方、自らの意思で退職に応じるケースもあります。確かに40代以上であれば通常の退職金でもそれなりの額になりますが、会社都合による早期退職勧奨による割り増し退職金の提示には魅力を感じるのも、無理からぬ話だと思います。

 ですがそれだけの理由で安易に早期退職に応じると取り返しのつかない事にもなり兼ねません。

 以下、私が実際に見た「しくじりパターン」を紹介していきましょう(※なお年齢は退職当時の年齢です)。


家を手放すリスクに怯えるまでに

 私が遭遇した中で最も悲惨なのが、精密機器関連の部品メーカーに勤めていた山下貴史さん(仮名・43歳)でしょう。早期退職に応じれば、割り増しになった退職金で、月々の負担が重荷だった住宅ローンの残債を一括で返済できるからという理由で早期退職に応じたと言います。

 しかも、40代という年齢から再就職は容易だろうと、事前の再就職活動はまったくしないままの退職でした。しかし、世の中は彼の予想とはかなり違っていました。

全文はソース元で
1/23(木) 7:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200123-00069946-gendaibiz-bus_all

★1 2020/01/23(木) 14:54:22.25
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