日本郵便、パワハラ内部通報後の本格調査は1割強のみ
2020年2月19日 7時04分
https://www.asahi.com/articles/ASN2L61QFN2GULFA00B.html?iref=comtop_latestnews_04

 日本郵便の内部通報窓口が2018年4〜12月に受けたパワハラ関連通報のうち、本格調査した案件は1割強にとどまることが同社の内部資料でわかった。事実認定した通報内容は1%未満。パワハラはかんぽ生命の不正販売を助長した一因とみられているが、内部通報制度が十分機能していない可能性がある。
 朝日新聞が入手した内部資料では、18年4月〜19年2月の日本郵便の内部通報件数は約1700件で、前年より4割増えた。通報窓口が周知された影響があるとみられる。
 通報内容で多いのがパワハラ関連だ。18年4〜12月のパワハラ関連通報は前年比8割増の372件で、通報全体の3割を占めた。だが、本格調査したのは48件(13%)、パワハラだったと事実認定したのは2件(0・5%)だ。同じ期間の内部通報全体では3割を調査対象とし、不適正事務などで5%ほどを認定した。パワハラ通報の調査率や事実認定率は低めだ。
 資料では、通報内容は▼「言うこと聞かないなら他局に飛ばすぞ」と恫喝(どうかつ)▼夜9時半まで営業電話をさせ、アポが取れるまで帰さない▼朝礼で「人としてクズ」「給料泥棒」のような発言▼社員が見ている場で怒鳴りながら後ろから足蹴り――など。調査対象外とした案件の理由は「抽象的内容」「発生局・加害者不明」「誹謗(ひぼう)中傷」などだとしている。