滋賀県大津市で2011年に起きた男子生徒の自殺をめぐる控訴審判決が、とんでもないことになりました。
「いじめで自殺に追いやられた側の責任」が持ち出されています。詳細は以下から。

朝日新聞社の報道によると、大津市立中学2年の男子生徒が2011年10月に自殺したことをめぐり、男子生徒の両親がいじめを繰り返していた元同級生3人らに計約3850万円の損害賠償を求めた控訴審判決が27日、大阪高裁で行われたそうです。
佐村浩之裁判長はいじめと自殺の因果関係を認めた一方、「自殺は自らの意思によるものであり、両親側も家庭環境を整え、いじめを受けている子を精神的に支えることができなかった」などとして過失を相殺。

元同級生2人に計約3750万円の支払いを命じた一審の判決を変更し、賠償額が約400万円にまで減額されています。
なお、大津いじめ事件は元同級生から日常的な暴力に加え、蜂の死骸を食べさせられそうになるなど、執拗(しつよう)ないじめを受け続けた結果、男子生徒が自宅マンションから飛び降り自殺を図ったもの。
「いじめ防止対策推進法」が制定されたきっかけでもあります。

いじめで自殺に追いやられた男子生徒本人および「いじめに負けない家庭作り」を怠った家族の過失を認定し、いじめた側の過失とほぼ相殺できるものとした今回の判決。
この理屈を使えば過労やパワハラなど、さまざまな要因での自殺について本人や家庭の責任を強く認定できるようになるため、恐るべき内容と言わざるを得ません。

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