熊本市中心部の熊本パルコが2月29日に閉館し、33年の営業にいったん幕を下ろした。新型コロナウイルスの感染拡大でセレモニーは中止になったが、待ち合わせ場所でもあった同店には午後8時の閉店まで多くの若者らが詰めかけた。パルコは現在の建物を建て替えてできる複合ビルに再出店する予定で、買い物客らはそれまでの間の別れを惜しんだ。

約20年前に地下の店舗で4年間働いていたという熊本市の女性会社員は「いまだに信じられない。お疲れさまと言ってあげたい」と感慨深げ。熊本市内の大学に通う熊本県八代市の女性(21)は「高校生から熊本市中心部に行くようになったが、最初に知ったのがパルコだった。ほかの店にはない若者向けの服がたくさんあったのだが……」とさみしそうに語った。

熊本パルコが入るビルを所有する三陽(熊本市)は建物を建て替え、2023年春にホテルが入る複合ビルを開業する予定。パルコもそのビルに再出店する。竹下徹店長は「街との共生をテーマにビル運営に努めてきた。いったんお別れするが、33年間ありがとうございました」とコメントした。

2020年3月1日 10:16
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