大阪でも品薄状態は続いている。「日本一長い商店街」として知られる天神橋筋商店街(大阪市北区)にはドラッグストアがいくつも店を構えるが、トイレットペーパーはどこも品切れの状態。からになった商品のかごに「『紙類が不足する』という噂(うわさ)はデマです」「メーカーはたくさんつくっています」と掲げる店もあった。

 買いだめは紙製品にとどまらない。東京都江東区のスーパー「オーケー平野店」では米や納豆、冷凍食品、カップ麺などが売り切れた。池田直人店長は「肉も含めて売り場には何も残っていない」とこぼす。大阪市内にある大手スーパーも、米やパスタ、カップ麺、冷凍食品、缶詰などの備蓄品を買い増す人たちが多いという。担当者は「各メーカーからは『流通はいつも通り』との連絡が来ている」と話し、品薄は一時的のはずだとの認識を示した。

◇識者「商品がなくなるのを目にした人がさらに購入、社会現象に」

 同志社大心理学部の中谷内一也教授(リスク心理学)は買いだめについて、「品薄になると耳にした人がいつもの倍の商品を買おうとすると品薄になり、店頭から商品がなくなる。それを目にした人がさらに購入しようとし、社会的な現象になる」と指摘。「購入の対象は安くて余分に買っても損しない物、生活に必ず役立つ物ならば、何に向いてもおかしくない」と話す。

 一方、紙製品については日本家庭紙工業会(東京)によるとほとんどが国内生産され、在庫は十分にあるという。同会は「一部地域では一時的に購入しにくい状況だが、物流が整い次第消費者に届くので安心してほしい」としている。【木許はるみ、道下寛子、清水晃平】
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/17897601/