感染が広がっている新型コロナウイルスについて、兵庫県阪神地域で感染者の判明が相次いでいる。6日には新たに2人の感染が判明。2人目となる西宮市に加え、川西市でも初確認された。7日にも西宮で新たに感染者が確認されるなど両市役所では市長らが慌ただしく会見を開き、拡大防止に向けて市民に協力を求めた。終息の気配すら見えない状況に、市民らからは不安の声が上がった。(伊丹昭史、小林伸哉、名倉あかり)

 川西市は6日午後9時から会見を開いた。40代の男性会社員の感染確認を受け、すべての市主催行事を原則的に中止または延期とし、公共施設の貸し館業務も全面的に中止すると発表。越田謙治郎市長は「不要不急の業務は極力やめていく」と説明した。

 学校園の卒業式は、出席者数などの規模を縮小した上で予定通り開催する方針。また福祉施設や医療機関などに対し、市の備蓄からマスク約8万枚と消毒液約370本の配布を始めたことも明らかにした。

 西宮市は同日夜の会見で、患者と確認された50代の女性会社員が、複数の感染者が出ている大阪市都島区のライブハウス「Arc」を訪れたと説明していることを発表。石井登志郎市長は「このライブハウスを訪れた自覚がある人は、早めに相談窓口へ連絡してほしい」と呼び掛けた。

 初の患者が出た川西市では戸惑いが広がった。会社経営の男性(64)=同市=は「川西は近隣の市に比べて人口も少ないし、静かなまちなので驚いた。食事に行くのも二の足を踏む」と顔をしかめた。百貨店で販売業務を担っている女性(40)=同市=も「マスクをして手洗いをこまめにしているけど、感染者が増え続けるなら本当に意味があるのか疑問。事態はいつ収まるんでしょう」と声を落とした。

2020/3/7 21:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/202003/0013175515.shtml