【AFP=時事】筋肉や節々の痛み、のどの痛み、発熱──症状が似ているため新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)と季節性インフルエンザは同じようなものだと感じる人もいるかもしれない。だが専門家らは11日、両者は全く別の物だとあらためて強調している。

■致死率

 COVID-19と確認された患者の致死率は3.5%前後だと判明している。

 感染していても気付かないケースが多い可能性があることも考えると、COVID-19の実際の致死率はこれよりも低いとは思われるが、季節性インフルエンザの致死率0.1%に比べると著しく高い。

 また、COVID-19の致死率は平均2%前後で、現在流行している季節性インフルエンザ株の約20倍だとする専門家もいる。

■重症患者

 だがCOVID-19の本当の脅威は、その死者数ではない可能性が高い。専門家らによると本当の脅威は、入院を必要とする患者数が増えすぎ、医療システムが容易に崩壊する恐れがあることだという。

 今回の流行の発生源である中国で感染が確認された新型コロナウイルス感染者4万5000人を分析したところ、死亡した患者の大半が高齢者で、80歳以上の致死率が14.8%であることが明らかになった。

 だが中国の別の研究は、重症化した患者の41%が50歳未満だったのに対し、27%が65歳以上だったことを示している。

■感染力

 感染症専門家らは、新型コロナウイルス感染者1人から2〜3人の別の人にうつっていると推定している。一方、季節性インフルエンザは通常1.3人となっている。

■ワクチンと治療法

 仏保健当局のジェローム・サロモン(Jerome Salomon)氏によると、人間はインフルエンザと100年以上共生している。インフルエンザについてはその間に研究が進んできた。

 COVID-19については、ワクチンや確実に効果があると証明された治療法がないことが、季節性インフルエンザとの最大の違いといえる。

 抗レトロウイルス薬の重症患者への投与や、一部の実験的治療など臨床試験で有望な結果が出ているものもあるが、一般に行うにはサンプルサイズが小さすぎる。

 世界中の大勢の科学者がCOVID-19のワクチン開発に懸命に取り組んでいるが、開発には数か月が必要で、現在の流行には間に合わない可能性が高い。

■類似点

 だが、COVID-19にはインフルエンザと共通する特徴もある。握手を避ける、せっけんと水で頻繁に手を洗う、手で顔を触らない、症状があるときはマスクをするなど、感染スピードを遅らせるために個々人でできる対策があることだ。

 このような対策によって、インフルエンザや胃腸炎、その他の感染症と同様、新たな感染を抑えることができる。

 仏保健当局によると、トイレの後に必ず手を洗う人は10人に2人にすぎないという。また「せきやくしゃみをする時に、ひじやティッシュで口を覆う人は42%のみだ」。【翻訳編集】 AFPBB News

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