どうやら今の地球は、恐竜の時代の終わり頃に比べると、少々回転がゆっくりになっているようだ。

 後期白亜紀の貝の化石から、その当時1年は372日あったことが判明したのである。つまり、1日は23時間と30分しかなかった。

 ベルギー・ブリュッセル自由大学の研究グループが『Paleoceanography and Paleoclimatology』で発表した研究では、「厚歯二枚貝」という絶滅した貝の「成長線」を調査している。

 これは木の年輪のようなもので、貝の成長速度や当時の1年の日数を知る手がかりとなる。

大昔の海は今よりも暖かかった

 貝殻の化学分析からは、後期白亜紀における海洋の温度がこれまで考えられていたよりも暖かく、冬でも30度を超えていたことが判明している。

 さらに夏なら40度にも達し、軟体動物の生理学的限界にも近かった可能性が高いという。

 大昔の気候を探る研究は、大抵の場合、数万年というかなり長い単位でしか説明してくれない。しかし今回のような研究は、当時の生物が生きている間に起きた変化に着目したもので、気候モデルと天候モデルとの間の空白を埋めてくれる可能性を秘めているという。

7000万年前、1年が372日あった
 古代の二枚貝は天文学者にとっても嬉しい情報を伝えてくれている。各年の成長線を注意深く数えたところ、7000万年前は1年が372日あったことが明らかになったのだ。

 じつは、このこと自体は意外ではない。かつて地球の1日が24時間よりも短い時代があったことならすでに知られているからだ。

 それでも後期白亜紀の日の長さを今に伝えてくれる現時点では一番正確なデータであり、これを応用すれば地球と月の進化のモデル化にも役立つのだという。

 地球が太陽を周回する公転軌道は変わらないので、地球が誕生して以来、1年の長さは常に一定だ。しかし1日の長さが一定ではないので、1年の日数は変化してきた。

 月の重力によって生じる潮汐の摩擦のために、地球の自転はだんだんと遅くなる。そのために1日の長さは少しずつ長くなっているのである。
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