栄研化学は18日、独自の遺伝子増幅技術を活用した新型コロナウイルス検出試薬キットを発売したと発表した。下処理した検体から35分でウイルス感染を検出できるという。国内の医療関連施設に約500台設置されている同社の検査装置をそのまま使うことができる。現在主に行われているPCR法に比べて、検査にかかる時間を大幅に短縮できる。

栄研化学の独自技術「LAMP法」は遺伝子を増幅する効率がPCR法に比べて高く、短時間で検出可能量まで増やせるのが特徴だ。重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行時にも検査キットに応用された。今回の新型コロナウイルスの検査にも有望視されており、2月の段階から開発を表明していた。試薬キットは48テスト分で税別7万6800円。

検査に使うのはLAMP法による遺伝子検査のために開発された装置で、今回の新型コロナウイルス用の試薬セットをそのまま使える。検査前には検体の下処理が別途必要となる。検体の下処理は国立感染症研究所のマニュアルに従う。検体数に応じて20〜90分かかるという。

2020年3月18日 17:27
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO56948080Y0A310C2916M00?s=4