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 新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した志村けんの訃報は海外でも大きく報じられたが、台湾では蔡英文総統がTwitterを通じて追悼したり、テレサ・テンや金城武との共演があらためてクローズアップされるなど、さまざまな形で話題になっている。そんな志村の死をめぐり、ネット上では、ある不謹慎な出来事が起きた。

 Wikipediaの中国語版にも志村の記述があるのだが、台湾メディア「三立新聞網SETN」(3月31日付)などによると、なぜか死因が「台湾肺炎」と記載されていたというのだ。台湾のTV司会者・鄭弘儀が出演する番組内でその件に触れ、「誰がこんな恥知らずなことをしたんだ!?」と断罪するなど、物議を醸した。

 台湾でも志村の人気は高かっただけに、ウイルスの発生源である中国を非難する声が少なくない。その批判をかわすため、ネット上で世論を誘導する中国の「網軍」による改ざんがあったのではないかという指摘もある。それが本当だとすると、当局の狙いはどこにあるのか? 中国のネット事情に詳しい上海在住のコンサルタントは、事情をこう説明する。

「中国では、接続を遮断するほどWikipediaに対して神経をとがらせています。天安門事件など、中国共産党にとって不都合な事件について、詳細に記述されているからです。台湾メディアは、新型コロナウイルスによる肺炎のことを『武漢肺炎』と呼んでいますが、中国はそれをよく思っていません。そのため、対抗措置として、ウイルスの名称に『台湾』の文字を入れ込んだのでしょう」

 現在はすでに修正されているが、世界中の人が悲しみに暮れる中で、その死にまつわるを世論誘導に利用しようとするとは、許し難いことである。https://www.cyzo.com/2020/04/post_236311_entry.html

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