来週から全世帯に配布される布マスク2枚をめぐり、問題続出だ。

 安倍首相がブチ上げた、いわゆる“アベノマスク”の配布にかかる経費が9日、明らかになった。2020年度補正予算案に計上した233億円に加え、20年度当初予算の予備費からも233億円を充てると決定。布マスク2枚の配布に計466億円も税金がつぎ込まれることになる。

〈国民を舐めるのも大概にしとけ〉〈無駄遣い過ぎてイライラする〉――。SNS上ではこんな声が続出しているが、問題はそれだけじゃない。ナント、アベノマスクに“欠陥品”が混ざっている可能性があるのだ。

 アベノマスク配布に先立ち、すでに政府は介護施設や障害者施設、保育所などに布マスクを配布している。ところが、国が一括購入して配布した2000万枚の布マスクをめぐり、受け取った施設では困惑が広がっているという。

■「耳にかけられない」と悲鳴

 国民民主党の玉木雄一郎代表は5日、自身のツイッターにマスクの写真と一緒に、〈地元の介護職員の方から写真とともに悲鳴が〉と投稿。〈国(厚労省)から届いたこのマスク、耳にかけるところがゴムでなく紐になっていて、耳にかけられずマスクとして使用できないとのこと。現場に当惑が広がっています〉と暴露した。

 写真をよーく見ると、確かにゴム部分がヒモでできている。これでは耳にかけられないばかりか、かけられたとしても顔にぴったりとフィットしないだろう。現場職員が「使い物にならない」と困惑するのも無理はない。

 厚労省に事実関係を確認すると、「(耳の部分がヒモ製の)布マスクが配布されていることは事実です」(マスク等物資対策班)と回答。来週から全世帯に配布されるアベノマスクも同じ製品なのか尋ねると、次のようにお茶を濁した。

「介護施設等に配布しているマスクは、複数のメーカーに発注しています。各世帯には他のメーカーのものも配る可能性があります」(マスク等物資対策班)

 裏を返せば、介護施設などに配られているマスクも、アベノマスクも、製造元が一緒である可能性があるということ。つまり、どこかの家庭に、耳にかけられない布マスクが届くかもしれないのだ。

 466億円ものムダな出費に加え、欠陥品をつかませる――。この国の政府は国民を舐め切っている。

公開:20/04/10 14:50 更新:20/04/10 14:50
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