緊急事態宣言が7都府県に発令されて初めての日曜日となった12日、安倍晋三首相が歌手の星野源(39)が公開した楽曲「うちで踊ろう」とコラボした動画をSNSに投稿し、改めて外出自粛を呼び掛けた。

実はこの“アベノコラボ”、不評を買った布製マスクを全世帯に配布する“アベノマスク”に続き、子飼いの内閣官房の面々が発案したもの。首相が言われるがまま行動していることに自民党内からは「総理の判断力は本当に大丈夫なのか?」と心配する声が上がっている。

動画は56秒間。首相がツイッターに投稿した「かつての日常が失われた中でも、私たちは、SNSや電話を通じて、人と人とのつながりを感じることができます」とのメッセージ付きだ。星野が弾き語りする映像を左半分に配置し、右半分に首相が自宅でくつろぐ様子が流れる。ソファに座って愛犬を抱いたり、飲み物をすすったり、読書をする姿が紹介され、締めくくりはリモコンを握りしめての高速ザッピング。見たところ11秒で次の番組に変更していた。

単純計算でおよそ1分で6番組を視聴できる“アベノザッピング”。永田町関係者は「このカットを入れたのも理解に苦しむ。外出自粛でテレビの視聴時間が増えている高齢者を意識したのか」と皮肉った。

ネット上では「くっそシュール」「地獄の安倍政権は使えるものはなんでも使うんだね」など批判の声が相次いだ。立憲民主党の蓮舫副代表はツイッターで「ご本人のお考えだとすれば、なぜ誰も止めなかったのか。側近と言われる方々の発案だとすれば、“これはおかしい”と何故総理は言わなかったのか」と指摘。安直すぎる内閣官房と首相のコラボをあぶり出すような内容だ。ネットでは他にも「空気読めないコラボでお茶を濁す前に、とっとと休業補償するべき」などと個別補償に応じない政府への反発が広がった。

ネット戦略を巡っては、10日に小池百合子都知事が人気ユーチューバーのHIKAKIN(30)の動画に出演し好意的な評価を獲得。そのすぐ後に“アベノコラボ”が公開されただけに「まねしたんだろうけど全てが裏目」とあきれる声も出ていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00000021-spnannex-soci
4/13(月) 5:30配信