新型コロナウイルスの感染拡大で来夏に延期された東京オリンピック(五輪)について、国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は16日、テレビ会議を開き、今年と同じ会場と日程を受け継ぐ方針を確認した。延期に伴う経費負担について、IOC側は明言を避けた。

 経費負担をめぐっては、IOCのバッハ会長が12日にドイツ紙の取材に「IOCは経費分担について引き続き責任を負う」と述べ、数百億円の負担を想定していることを明らかにした。この発言について、IOCのコーツ調整委員長は会議後のインターネットを使った記者会見で「厳しい財務状況に陥っている各国のオリンピック委員会や国際競技団体に、必ず手を差し伸べるという意味」と述べ、東京大会をめぐる負担を想定したものではないとの認識を示した。

 組織委の森喜朗会長は会議後、「(経費は)これから精査しなければならない。原則的には、私どもができることはしていかないといけない。IOCにも、ともに考えていただかなくてはならない問題も出てくる」と述べた。関係者によると、組織委は今夏をめどに会場や日程を確定させたい意向という。

 会見では「新型コロナウイルスの終息が見通せない中で来年に大会が開ける証拠はあるのか」との質問も出た。コーツ委員長は「来春に大会を開く案もあったが、できるだけ長い時間を置くということで2021年の夏になった。日本はウイルスへの措置をきちんと取るということを信じたい」と述べるにとどめた。(前田大輔)
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