★新型コロナで失業者の41万人増加が予想される

今回の新型コロナウイルスの感染拡大による影響(以下、新型コロナ・
ショック)は、感染の終息が徐々にしか期待できないことや、当面は
再拡大への警戒感が続くためインバウンド消費の戻りが鈍いことが
想定されることなどが反映されているとみられる。

一部では、今回のショックは東日本大震災時と比較して資本ストック
(既存の設備)が毀損していないためにV字回復が可能だという見方が
あるが、筆者はまったくの逆だと考えている。

東日本大震災の後はむしろV字回復した。これは、当時は毀損した資本
ストックを修復するという明らかな需要があったからである。
毀損した設備を修復するだけだったとしても、GDPを押し上げることになる。

一方、今回は個人消費を中心とした需要が回復しなければ、V字回復
とはならない。個人消費を抑制している新型コロナウイルスの感染の
終息がゆっくりにしか進まないのであれば、GDPの回復も緩やかだろう。

また、その間に雇用が失われて個人消費を持ち上げる「原資」である
可処分所得が減少すれば、回復のペースはV字から遠のいていく。

新型コロナ・ショックは「景気が落ち込む角度は東日本大震災級、落ちる
深さはリーマン級」といわれている。セーフティーネットの確保などの
各種政策対応が間に合わないリスクや、さまざまなボタンの掛け違いに
よって経済の落ち込み以上に失業者を増やしてしまう可能性があるため、
注意が必要である。急激に資金繰りが悪化している中小企業が多い中、
金融機関の手続き上のキャパシティの限界も指摘されている。

(一部抜粋)
https://toyokeizai.net/articles/-/344140