ドアノブ消毒に役立てて 造り酒屋がアルコール 

 新型コロナウイルス感染症対策で消毒液が全国的に不足する中、京都府亀岡市の大石酒造がこのほど、醸造アルコールを活用した高濃度アルコールの販売を始めた。同社では純米酒を使った化粧水など肌に使う商品も手がけており、「安心して使用してほしい」としている。

 商品は「造り酒屋のキンキラー」(49ミリリットル入り、750円)。同社が本醸造酒に使用している醸造アルコール(エチルアルコール、度数95%)を肌へのダメージなどを考慮し度数50%にした上で、保湿剤などを調合し製造した。消毒の代用として手に直接吹きかけられて、ドアノブなどにも使用できるという。 

 同社では近年、近隣の湯の花温泉からのツアー客など毎日観光バス10〜15台を酒蔵見学に受け入れてきたが、1月末以降、新型コロナの影響で団体利用がなくなった。

 大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」に合わせ、亀岡全体が観光に力を注ごうとした状況での事態だが、大石博司社長は1月末、「なんとかプラス思考で危機を乗り切りたい」とキンキラーを発案。商品ラベルの色を明るい色にするなど商品開発した。

 初回は千本を生産。本社と京都府南丹市美山町の美山蔵、同社ホームページで販売する。商品を入れるボトルが手に入りにくくなっているといい、5月には詰め替え用のパックなどもセット販売する予定。


大石酒造が販売する高濃度アルコール「キンキラ−」(京都府亀岡市)
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2020年4月18日 17:19 京都新聞