新型コロナウイルスの早期終息を願い、沼津市大塚の長興寺に十六日、疫病の流行を鎮めるとの言い伝えがある妖怪「アマビエ」のこいのぼりが奉納された。(杉原雄介)

 アマビエは江戸時代後期に肥後国(現・熊本県)に現れ、「病がはやったら、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」と告げたとされている。コロナの感染が拡大する中、会員制交流サイト(SNS)などで注目が高まっている。

 こいのぼりは全長九十センチで、沼津市のホームページ(HP)制作会社「オフィスグルー」が手掛けた。同社は毎春開催する沼津こいのぼりフェスティバルに向けて独自のこいのぼりを作っているが、今年はコロナの影響で中止となったため、奉納を決めた。

 同社はHPでこいのぼりの画像を公開しており、プリントすれば小さなこいのぼりを自作できる。窪野岳社長(49)は「かわいいアマビエができたので、子どもたちにも家で作ってもらいたい」と呼び掛けた。

 こいのぼりを前に「コロナ退散」「世界安全」などと祈●(きとう)した松下宗柏(そうはく)住職(71)は「コロナ疲れの中、少しでも明るい話題を提供したいという思い。みんなで心を一つにしてコロナを終息させたい」と願った。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/shizuoka/list/202004/CK2020041802000146.html

写真:アマビエこいのぼりを奉納した窪野岳社長(左)と松下宗柏住職=沼津市大塚の長興寺で
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