「牛乳を1本多く買ってほしい」。農林水産省が懸命の訴えです。緊急事態宣言を受けて消費が減っているためですが、生産の現場を悩ます別の理由もありました。

 「このままでは搾った乳を捨てたり、最悪の場合、牛の数を減らさなくてはなりません」(農林水産省 YouTubeより)

 着ぐるみで切実な状況を訴えるのは農水省の職員。家庭での牛乳などの消費を増やしてほしいと呼びかけます。

 「いつものお買い物で牛乳やヨーグルトを普段より1本多く買ってもらえるとうれしいです」(農林水産省 YouTubeより)

 一体、なぜなのでしょうか? 実は今、感染拡大の影響で、生乳の需要が減少しているのです。先月の一斉休校で小学校の給食がなくなったことを受けて需要が減少。そして今月・・・

 「緊急事態宣言を発出することと致します」(安倍首相 今月7日)

 緊急事態宣言で、スターバックスや飲食店が軒並み休業に。カフェラテなどに牛乳が使われなくなり、業務用の需要が5割から7割減少したのです。

 さらに、この時期は酪農家の頭を悩ます問題も。千葉県にあるこちらの牧場。今のところ、これまで通り牛乳の出荷ができていますが・・・

 「4月5月はですね、1番出荷の多い時期で」(高木牧場 高木輝博代表)

 4月から5月は気温の変化が比較的少ないため、牛が過ごしやすく、牛乳の出荷量が増えるのです。

 「生き物なので毎日エサは食べますし、今日は食べません、今日は牛乳出しません、今日は休みです、ということはできないので」(高木牧場 高木輝博代表)

 牛は乳を搾らないと健康を保てないため、搾乳の量を減らせません。そのため、消費が落ち込めば、牛乳を廃棄せざるを得ないといいます。

 「必ず僕たちは、この牛乳で、飲むと元気になって、幸せになれると思って、信じて仕事をしていますので」(高木牧場 高木輝博代表)

 こうした事態を受け、スーパーでは・・・。「ライフ」では、酪農家を支援する取り組みをスタート。休校によって卸先がなくなった給食用の牛乳を買い取って、22日から販売しています。

 「酪農家さんがいて、牛乳を作ってくださる方々がいてこそ、ライフでも牛乳を販売できる。持ちつ持たれつの関係にあるのかなと思います」(ライフコーポレーション広報部 小川啓さん)

 農水省は、牛乳を飲む習慣がある人が飲む量をコップ1杯分増やすだけで、給食用の牛乳の大部分を消費できるとしています。

TBS NEWS 4/22
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3962144.html