東北大学は、世界で初めて昆虫の変態スピードを速めるメカニズムを解明した。昆虫の変態では、不要になった幼虫の細胞が成虫を作る細胞と入れ替わることが知られていたが、入れ替えのスピードを調節する仕組みは明らかになっていなかった。今回、東北大学大学院生命科学研究科の梅津大輝助教、倉永英里奈教授らのグループは、この過程の一部始終を生きたまま詳しく観察し、幼虫細胞の物質の取り込み活性が時間が経つにつれて徐々に弱まり、それによって細胞の除去が促されることを明らかにした。

同研究は、変態での細胞の入れ替えのスピードを速める仕組みを明らかにした世界初の例で、がん細胞などの不要な細胞の除去を促すような新規の医療技術の開発に発展することが期待される。

なお、研究成果は4月14日付で「Development誌」に掲載された。同研究は、文部科学省研究費補助金、科学技術振興機構、アステラス病態代謝研究会の支援を受けて行われたものとなる。
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