🦇あなたも哲学と思想史の観点から見てみない?どうなる?未来は

2020年5月2日 土曜 午後6:30


・ 安倍総理もさほどの強い権力を持っていない
・究極の自助努力を渡された今は新しい民主主義
・「自粛警察」などの動きは恥ずべき状況

緊急事態宣言が全国に拡大されて2週間超。社会的距離を取り濃厚接触を避けるため、私たちの日常生活は大きく様変わりした。こうした経験によって私たちの価値観や社会はどんな影響を受け、どう変わっていくのか。今回の放送では医療・政治・経済といった観点ではなく、哲学と思想史の観点からアプローチする。現在そして「アフター・コロナ」を見据え、倫理学・哲学の専門家を迎えて議論を深めた。
国から究極の自助努力を渡らされた

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反町理キャスター:
中国のような強権的な政治手法への評価はこれから出てくるのでしょうか?

先崎彰容 日本大学危機管理学部 教授:
モイセス・ナイムの『権力の終焉』で指摘されるような無秩序の状態になりすぎると、反動で強力な権力者が出てくるかも。そのブレがまずい。日本はある意味中国と逆で、緊急事態宣言は出したが、実際は「お願い」。安倍政権が長期ゆえに独裁と呼ぶ人もいるが、安倍さん自身はおそらく、思っているよりも自分には権限がないと考えているのでは。

日本においては、権威・権力に対し善良な市民がいて批判し反対すること、反権力的であることが民主主義だと考えられ続けてきた。しかし健全な批判精神はよいが、それを金科玉条としているとイデオロギーとなり、硬直化して柔軟に社会を見る目を失う。新型コロナウイルスに対する政府対応について「緊急事態宣言が遅い」と批判した人が同じ口で「私たちの自由が脅かされないように注意しなければならない」と言うようなことが起こる。

つまり、僕らは今までの民主主義ではとらえられない民主主義をやらされている。安倍政権は我々に民主主義のカギを渡し「あなた方一人ひとりがちゃんとやってくれないとこの国は壊れますよ」と言っている。究極の自助努力を国から渡された。「お金のことは国がやるが、この国がもつかどうかはあなた方次第だ」と。新しい民主主義の時代、今までの戦後日本と全く違う局面になっている。
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反町理キャスター:
そう考えると、与野党の論争を見ると笑っちゃうでしょう。

先崎彰容 日本大学危機管理学部 教授:
自民党一強といわれているが、もし権力が分散して引きずりおろされ別の勢力が権力の座についたら、最終的に束ねて責任を持つ人が不在ですよね。
「自粛警察」は恥ずべき状況
https://www.fnn.jp/articles/-/38700
*抜粋記事です。全文はリンク先へお願い致します。