福島駅(福島県)から車で約10分走ったところに、複数の会社が入るプレハブ風の平屋がある。その一室に社屋を構える企業。広さは10畳ほどで、郵便受けに貼られた社名のシールははがされている…ここが、466億円もの血税が投じられた新型コロナウイルス感染拡大防止の目玉政策の一端を担う企業だと報じられると、世間は驚いた。

企業名はユースビオ。各世帯に2枚配られる“アベノマスク”納入業者の1つだ。

 4月21日、政府は妊婦用として配布したマスクの発注先として、4社中、大手3社を公表。しかし、もう1社の公表は避けた。27日になってやっと4社目のユースビオの名前が明かされると、この遅れが疑惑を呼ぶことに。

「ユースビオは設立3年目の会社で、輸出入は自社ではできずに、別会社に任せたことも追加で明らかになった」(全国紙記者)

 ユースビオには4月に入ってから「貿易及び輸出入代行業並びにそれらの仲介及びコンサルティング」という事業目的が追加されたほどで、マスク輸入には不慣れだったようだ。


「ユースビオの代表は、以前脱税で摘発され、現在は執行猶予中の身。関連先の企業も、過去に植物検疫法違反の容疑で書類送検されていたこともあった。代表が以前風俗店を経営していたことや、自宅が競売にかけられていたが、最近取り下げられていたことなどが明るみに出たので、選ばれたことに対する疑惑がさらに強まった」(前出・全国紙記者)

 2015年には、後に復興副大臣に就任する公明党議員(福島県選出)の政治団体に12万円を献金。ここから政権与党との“癒着”も指摘された。

 同社の代表は、本誌記者を諭すようにこう説明した。

「もともと海外から燃料用の木質ペレットを輸入していた関係で、ベトナムのマスクを製造している会社を知っていたんです。緊急事態だから、政府はウチのようなすぐにマスクを用意できる会社が必要だったんでしょう。そういった経緯で選ばれました。

 私は創価学会員なので、その関係で公明党議員に献金しましたが、癒着なんてあり得ません」

 脱税に関しては納得していない様子で「国相手に逆らってもしかたない」と話し、ほかの疑問については、厳しい口調でこう答えた。

「自宅が競売にかかったときにお金が入ったら、それを競売を外すお金に充てることの何がおかしいのでしょうか? 風俗経営? 仮に風俗店を経営していたとして、法に触れずにちゃんと運営していたのであれば何が問題なのでしょうか?」

 さらに、インターネット上の批判の声に対してこう釘を刺す。

「反論しても、相手がヒートアップしてくるだけ。裁判を視野に入れています」

 なぜはじめからユースビオの名を公表しなかったのか。疑惑が晴れる、納得のいく政府からの説明が待たれる。
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https://news.livedoor.com/lite/article_detail/18226713/
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