どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、千葉県で最大のターミナル駅「千葉」駅。

大型店の撤退が続き、地位低下が心配されたが…

「千葉」駅は、千葉県の県庁所在地である千葉市の中心街に位置し、JR総武線(各停、快速)、内房線、外房線などが乗り入れるターミナル駅です。千葉都市モノレール1号線、2号線のほか、京成電鉄「京成千葉」駅とも接続し、JR駅の1日の乗車人数は、10.8万人ほどです。

千葉の都市の歴史は、1126年6月1日、下総国の武将、千葉常重がこの地に本拠を移した(千葉市はこの日を「千葉開府の日」と定めている)ことに始まりますが、すでに千葉という地名はあり、千葉常重の姓からとったものではありません。地名の由来には「数多くの葉が繁茂する地」など諸説ありますが、最も古く千葉の地名が登場するのは万葉集。千葉郡出身の防人が詠んだ一首といわれています。

県として登場するのは、1873年、明治6年のこと。木更津県と印旛県が合併し、千葉県が誕生すると、千葉郡千葉町に県庁が置かれるようになりました。1889年、明治22年には、千葉町、寒川村、登戸村、千葉寺村、黒砂村が合併し、千葉市の前身である、千葉町が誕生し、1921年、大正10年に市制が施行され、千葉市となりました。

駅周辺を見ていきましょう。駅東口を出て、南東方面に広がる市街地「富士見」地区は、デパートやオフィスビルなど大型のビルが林立する、千葉県を代表する繁華街。「千葉」駅は、270を超える店舗が入る駅ビル「ペリエ千葉」のほか、商業施設やホテル、オフィスが入居する3棟の再開発ビル「WESTRIO」や「そごう千葉店」、そごうの別館が入る「オーロラモールジュンヌ」、「京成千葉」駅からお隣「千葉中央」駅の高架下ショッピングモール「シーワン」と、ペデストリアンデッキなどで繋がり、それだけですべての用事が済んでしまうほどの充実ぶりです。

駅東口を出た先の「栄町」エリアは、飲食店や風俗店が軒を連ねた、関東屈指の規模を誇る歓楽街。韓国系が多くコリア・タウン色も強い地区です。

一方、駅の北〜西エリアは、駅から少し離れると閑静な住宅街が広がっています。

千葉県の中枢にふさわしいにぎわいを見せる千葉市ですが、2016年「千葉パルコ」、2017年「三越千葉店」と、千葉市を代表する大型商業施設、百貨店が相次いで閉店となり大きなニュースになりました。千葉市では人口が増え続けており、商圏が小さくなったわけでもないのに、どちらの店も、最盛期の1/4程度の売上に落ち込んでいたといいます。

大型店撤退の背景にあるのが、郊外型のショッピングセンターの台頭。「千葉」駅から10キロ程度のところには、「イオンモール幕張新都心」や「ららぽーとTOKYO-BAY」など有力なショッピングセンターが立地し、既存の百貨店などから顧客を奪っているといわれています。

全国的にみられる中心市街地の地位低下。車社会の郊外ならではの減少で、鉄道が移動の主役の東京圏においては無縁の話かと思えば、ここ千葉では問題視されているのです。2018年に「ペリエ千葉」が全面開業し、再び、千葉・中心市街地の隆盛なるか……注目が集まっています。

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5/22(金) 11:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/a9a08485fa9be0182b63a32d8fb30a39dec946da
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