千葉県は5日、4月上旬に判明した男性3人の新型コロナウイルス感染を公表していなかったと明らかにした。いずれも県内で確認の感染者に計上すべきだったが、県が必要な作業を忘れたり、確認を十分しないまま漏れた。3人とも既に療養を終え、陰性と確認されている。県はさかのぼって感染者に計上した。一方、既に計上していた別の7人分を東京都発表との重複で県内分から削除した。

 県によると、未発表だった3人は、市川市居住の30代会社員男性、東京都居住の50代自営業男性と60代自営業男性。

 このうち都内の2人は県内病院で検査を受けた後、都内の自宅に戻り、同ウイルス陽性と判明。発生届は県保健所に出ていた。県は、濃厚接触者の把握などを担当する都に調査を依頼したが、結果の確認や公表作業を忘れたという。「他の感染者の対応に追われ多忙だった」と説明している。

 残る30代男性は船橋市内の病院で検査し、同市に発生届が出たが、居住地が市川市(県保健所管内)のため、船橋市が県に引き継ぎを要請。しかし、県が結果的に対応を怠り、どの自治体も発表していなかった。

 都と重複したのは、船橋市居住の20〜50代男女6人と松戸市居住の40代男性1人で、4月下旬〜5月上旬に感染が判明。勤務先などがある都が、県とは別に発表し都内で確認の感染者に計上済みだった。県内分からは削除し、都道府県別の二重計上を避ける。

 県疾病対策課は「確認を徹底し再発防止に努める」と話した。今後は、発生届が出た保健所を管理する自治体が発表に責任を持つという。県は保健所との情報のやりとりで主にファクスを使用。国が構築した新型コロナウイルス感染者の情報管理システム「ハーシス」の導入も検討しているが、時間がかかる見込み。

6/6(土) 11:27配信
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