富山市議会の政務活動費不正問題を巡り、富山検察審査会は18日、詐欺容疑で書類送検された五本幸正市議(83)と高見隆夫市議(73)を不起訴(起訴猶予)とした富山地検の処分を不当と議決した。市民団体が4月に審査を申し立てていた。

 2人は市政報告などの印刷費として、虚偽の領収書を使い政活費支出を水増しし、2013〜14年に不正に利益を得ていたとして、20年2月に富山県警が書類送検。地検は3月、「捜査により判明した情状などの事情を総合的に考慮し」、不起訴とした。

 議決は「2人は富山市に計約550万円を返還したが、(不正問題で)他に起訴された議員も同じで不起訴処分の理由にならない」と判断した。

 審査を申し立てていた市民団体「市民が主人公の富山市政をつくる会」の高野善久代表委員は「行為は極めて悪質で議決は当然だ。検察は重く受け止め、2人を起訴し、事件の立件と全容解明に努めるべきだ」とコメントした。【青山郁子】

毎日新聞2020年6月21日 18時52分(最終更新 6月21日 19時09分)

https://mainichi.jp/articles/20200621/k00/00m/040/158000c