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毎日新聞

感染症情報アプリ開発 全国のデータ提供 仙台の企業と東北大「正しい知識身につけて」
アプリ「pre sign」は全国の感染情報や休日診療病院の一覧のほか、海外で受診する際に便利な翻訳機能を提供している=仙台市で、2020年6月22日午前11時40分、神内亜実撮影
 新型コロナウイルス感染を恐れ、病院での受診を控えたり、他の病気の予防接種を受けなかったりするケースが増えている。そんな中、仙台市の企業が東北大と共同で全国の感染症情報や予防に役立つ情報を提供するウェブアプリ「pre sign(プレサイン)」を開発した。正しい知識を基に感染予防を習慣づけてもらうのが狙い。名取市のモニター協力を得ながら7月から自治体向けの配信を始め、個人用にも展開する。【神内亜実】

 アプリを開発したのは、医療用のシステム開発を行う「ジェイシス」(仙台市太白区)。総合監修は黒沢一・東北大環境・安全推進センター教授(呼吸器内科学)が務めた。

 プレサインでは、全国の感染症情報を配信。利用者は居住地や勤務先、親族宅などがある都道府県を登録することで、各地の保健所が発表する感染症の流行状況や特徴を地域ごとに調べられる。

 公衆衛生や感染症の専門医によるコラムや休日当番医の一覧を配信し、感染予防や早期の治療につながる情報も提供していく。開発に携わったジェイシス顧問の佐藤民弥さんは「予防接種が必要な子供がいる家庭にこそ、このアプリを使ってほしい」と話す。

 同社は2年前に外国人向け医療用翻訳アプリを開発。東京オリンピック開催で訪日外国人(インバウンド)が増えることから、日本語が不得意な人が医療機関を受診する際のトラブルを回避するために生み出した。その後、インバウンドで感染症も流入する懸念から、第2弾として感染情報を提供するアプリ開発に着手。そのさなかに新型コロナの感染が拡大し、東京五輪も1年延期が決まった。

 ジェイシス顧問の佐藤さんは「コロナの感染拡大で、他の病気への意識が薄れてしまっている。一人一人が予防すれば、感染症の大流行は抑えられる」と述べ、アプリが予防を習慣づける一助となることを期待。海外で受診する際、病状や欲しい薬を伝えられるよう英語や中国語、韓国語など9カ国語に翻訳する機能も盛り込んだ。

 監修した黒沢教授は「医師が情報発信できるプラットフォームは少ない。難解な情報をより分かりやすく、多くの人に正しく伝えることで健康管理に役立ててもらいたい」と話した。

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