成田国際空港会社(NAA)は29日、中国・上海から28日夜に到着した乗客へのPCR検査を含めた検疫に時間がかかり、成田空港の離着陸が制限されている時間帯に折り返し便が出発したことを明らかにした。NAAによると、PCR検査が原因となるのは初めて。


 この便は上海―成田を往復する中国のLCC(格安航空会社)の春秋航空。28日午後7時39分に成田に到着し、約1時間後に出発予定だったが、乗客約120人を10人ずつ降ろして行う検査に手間取り、29日午前0時3分に出発した。午前0〜6時は騒音対策などで離着陸が制限されている。

 同空港では現在、検疫官約70人体制で検査を行っているが、28日は過去最多の1137人が検査を受けた。NAAの田村明比古社長は29日の定例記者会見で、入国制限が緩和され国際便が増えた場合、「現状の検疫体制では対応が困難」とし、見直しの必要性を訴えた。

読売新聞 2020/06/29 21:17
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