この1年間、ペットボトル入りの飲料を1本も買ったり受け取ったりしていません。自宅でお気に入りのマイボトル(水筒)に水道水を入れて持ち歩く日々ですが、それまで駐在していた米カリフォルニア州に比べて、東京ではリフィル(給水)するのが思いのほか大変です。外出先で給水できる場所がなかなか見つからないのです。子どものころ、駅や公共施設でもっと一般的だったような気がします。ということで調べてみました。(経済部デスク 飯田香織)

■1人年間200本!

「あまりの過剰包装に驚いた」
日本を訪れる外国人や海外生活が長い日本人にこう指摘されることがよくあります。確かに一つ一つ包まれたクッキーやおせんべいは珍しくありません。

卵1個、バナナ1本が包装されている光景はほかの国ではよほど珍しいようで、コンビニで写真を撮っていく知人もいます。
こうした包装の多くは1度しか使われずに処分される「使い捨てプラスチック」です

その象徴でもあるペットボトルは、日本でいったいどれだけ出回っているのか。
ペットボトルリサイクル推進協議会によりますと、2018年度に国内で出荷されたペットボトルは252億本。前の年度に比べて6.9%の増加で、国民1人当たり1年間で200本の飲料を買った計算です。200本!

■やっぱり消えていた駅の給水器

1987年にフランスの「エビアン」の輸入が始まって以降、ペットボトル入りの飲料水が急速に普及。一方、飲料水をコンビニや自動販売機で買うことが当たり前になって見かけなくなったのが給水器です。
東京メトロによりますと、2015年1月には駅に給水器や水飲み場が合わせて198か所ありました。それを2018年5月までに全廃したということです。理由は、自動販売機で飲料水を購入する人が増えてニーズがなくなったため。

JR東日本によりますと、山手線の30の駅すべてでホームにも構内にも現在、給水器はありません。巨大なJR東京駅では構内に唯一あった給水器が去年秋に撤去されたそうです。
東京の都営地下鉄のように101すべての駅に設置しているところもありますが、ペットボトルの消費を減らすには手軽に飲料が手に入らないと困ります。

実は、NGOのグリーンピース・ジャパンの去年の調査では、20代から60代の都民1000人のうち58.5%がマイボトルを所有していると回答。うち77.2%が、外出先でマイボトルに給水していないと答えていました。
もったいないと思いませんか?給水スポットがもっと街なかにあれば、給水する人も増えるかもしれないのに。

以下全文はソース先で

■カフェやレストランでも給水
■広がるか民間給水スポット
■日本は技術偏重の“環境先進国”
■そろそろ限界かも
■マイボトルの活用を

2020年7月3日 17時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200703/k10012492781000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200703/K10012492781_2007021546_2007021818_01_02.jpg