2020/06/25 に公開
「大戸屋」の大株主と社長が激しく対立しました。でき立ての味を追求し続けるのか、効率化を求めてまとめて調理するのか。株主総会で25日に結論が下されました。

 野菜を切るのも、そして、それを揚げるのも、もちろん店内です。一品、一品を丁寧に店内で調理することを売りにしてきた大戸屋。しかし、その店内調理を巡って深刻な対立が起きています。ひと月前。
 大戸屋ホールディングス・窪田健一社長:「コロワイドの都合でセントラルキッチンが導入されれば、料理の味や鮮度など品質が低下し、大戸屋の店内調理の良さを完全になくしてしまうものだと考えます」
 これは居酒屋「甘太郎」や焼肉店「牛角」などを運営する大戸屋ホールディングスの筆頭株主「コロワイド」が提案したもの。セントラルキッチンとは複数の店舗で提供する料理を1つの場所で調理、加工する方式のことで、店舗では簡単な仕上げだけで済むため作業の効率化が図れます。ただ・・・。
 大戸屋ホールディングス・窪田健一社長:「株主提案には大戸屋の未来はない・・・」
 さらに、コロワイドは将来の子会社化を見据えた経営陣の刷新も求めています。その株主提案を採決する株主総会が25日に開かれました。
 株主:「激励です。一つ頑張って頂きたい」「県をまたいで来ました。埼玉県の北の外れで(午前)6時前から動き出して2時間かかりました。コロナ怖いですよ。なんで(総会に)来たかというと大戸屋さんに頑張ってほしいなと思って」
 現経営陣を応援する声がある一方、こんな意見も。
 株主:「店内調理でこだわりはいいんですけど、提供時間があまりにも長いのではないかなと・・・。コロワイドさんの合理化を入れてもお客さんは喜ばれるんじゃないか」
 結果は・・・。
 大戸屋ホールディングス・窪田健一社長:「書面、またはインターネットによって議決権を行使された方を含め、過半数の賛成を得られませんでしたので、本議案は否決されました」
 約60%を占める個人株主の多くがコロワイドの提案に反対した格好です。店内調理は続けられることになりました。ただ、株主総会では業績不振に対する経営陣の責任を問う意見もありました。
https://m.youtube.com/watch?v=j8ChlTJpxDg