【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染が拡大したイタリアで感染歴を調べる抗体検査をペットに実施したところ、犬の陽性率が約3%、猫が約4%に上ったことが明らかになった。査読前の科学論文を扱うウェブサイト「バイオアーカイブ」に28日までに論文が掲載された。

これまで犬や猫が飼い主から感染したケースが報告されているほか、実験で特定の動物が感染しやすいことも明らかになっているが、ペットの感染の実態は不明な点も多い。今回は「世界的にも初の大規模調査」だといい、コロナ時代の飼育の在り方に一石を投じそうだ。
 
調査は感染流行地となったイタリア北部を中心に、ペットの犬540匹と猫277匹を対象に3〜5月に実施した。PCR検査で犬猫ともに陽性はゼロだったが、抗体検査では犬の3.4%、猫の3.9%が陽性だった。
 
飼い主の感染が確認されている家庭の犬は、飼い主が感染していない家庭の犬よりも明らかに陽性率が高かった。猫も同様の傾向を示した。1歳未満の子犬・子猫の感染は見られなかったという。
 
伊バーリ大学のジュゼッペ・エリア教授らの研究チームは論文で「調査はペットの感染が珍しいことではないことを示唆している」と指摘している。

2020年07月29日13時33分 時事通信
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