大手メディアで見られるように、チリは非常事態となっている。たった4.5円の地下鉄運賃値上で3日間で国が内戦寸前状態となっている。

この暴動を行なっているのは誰なのか、なぜ許されないような暴力や略奪の行動に走ってしまうのか。
みんな犯罪グループで右翼対左翼の暴動だと簡単な評価で留めてしまうこともできるが、そうするとこの大きな問題の本質には辿り着けない。

問題は何なのか。それは世界各国で起きている似たような出来事が教えてくれる。

その出来事とは、国民が「もう失うものは何もない」という絶望感に陥ったときだ。それは慢性的な不公平感であり、情熱をあふれさせ、1日200万人以上の乗客を支持する地下鉄の改札口とカードのセンサーを破壊する不合理な行動に至ってしまう絶望感なのだ。

この大きな暴動の発端となった地下鉄運賃値上げへの抗議として学生団体中心に大規模な無銭乗車の呼びかけはもっと大きな社会問題が裏にあるのか、それははっきりとは言えない。しかし言えるのはその学生達の親の大半の給料が月40万チリペソ(約6万円)未満で、この4.5円の値上げが彼らの生活費に影響するということ。更に言えるのは、この学生たちの祖父母の5割が17万6千チリペソ(約2万6千円)未満の年金生活を送っていて、その少ない年金を、破綻した医療制度の影響により急騰した医療費に費やしている。

チリは南米の経済ロールモデルとして見られがちだ。過去20年間で収入は増加したが、物価と比較すると低く、基本的な生活を満たすのに十分ではない。 一方、一部の富裕層が経済発展の恩恵を受け、特権を集中し、共謀罪にかけられても免除され、脱税して富を更に増やす。それがいまの「リアルなチリ」で

問題の根源は紛れもなくずっとペンディングとなっている貧富の差だ
ほとんどのチリ人は今起きている非人道的な暴動に反対なのは明白だ。しかし明白でないのはこの不平等な状況と怒りをどう解決するかということだ。この暴動が更に広がる可能性が高い。政府は火をガソリンで消そうとしているようにも見える。このような暴力は市民にしろ政府にしろ許されないことだ。

全文はソース元にて

https://www.nambei.jp/chile-dekigoto/