自民党総裁選は3日、主要派閥がそろって支援する菅義偉官房長官の陣営で、
次期政権での人事などを見据えた主導権争いが激しくなった。

菅氏は無派閥だが、周囲では派閥の数の力が幅を利かせ、「古い政治」の復活をうかがわせた。

菅氏の陣営は3日、合同選挙対策本部の本部長に無派閥の小此木八郎・元国家公安委員長、
副本部長に菅氏支持の5派閥の幹部らを充てる人事を決定した。

細田、麻生、竹下の主要3派会長による2日の支持表明会見は、菅氏擁立を主導した二階派の「排除」と受け止められた。
このため陣営の選対人事は、5派の幹部に役職上の序列をつけないことであつれきを回避した。

菅氏と初当選同期で竹下派の山口泰明衆院議員は記者団に「一致結束」を強調した。
だが陣営内では「二階氏らは勝手に動いている」(閣僚経験者)と不満は消えていない。

陣営内で各派による主導権争いが起こっているのは、総裁選後に党役員人事・組閣で有力ポストを多く確保したいとの思惑があるからだ。

石破茂元幹事長は3日、自派会合で「政治なんて一部の人たちで決めるものだ、政治家は自分たちの利害しか考えていない、
という思いを国民が持ったら、民主主義は根底から崩れる」と危機感を示した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/53063