「防災というのは日頃から備えの積み重ねが活きるもの。愛する人、大切な人の命を守るため、今からでも様々な取り組みをしてほしい」と警鐘を鳴らすのが、
「タイムライン防災」の第一人者、東京大学大学院の松尾一郎客員教授だ。

「想像していただければわかると思うが、台風は日本の南方で発生し、長ければ2週間、短ければ4日くらいでやってくる。
この北上するまでの間に何が起こるかを逆算した上で、4日前、3日前、2日前、前日…と、やるべきことを市町村や消防団、住民、家族など、
さまざまなレベルで話し合い、事前の行動を定めておくのがタイムライン防災だ。

例えばお年寄りや一人では行動できない寝たきりの方などについては、誰が付き添うのかなどを、家族などで決めておく必要がある」。

松尾氏によると、特に7月豪雨で被災した九州の各地域は新たな土砂災害のリスクが高いため、少しの雨でも逃げることを考える必要があるという。
 
「木造家屋なら風で倒壊してしまう可能性があるので、鉄筋コンクリート造の建物に逃げることを考える。
場合によっては地域内での避難ではなく、親戚や知人を頼って九州から離れるというくらいの対応をしなければならない台風かもしれない。

避難するのであれば、5日の間に逃げたほうがいい。どうしても高齢者は家にいたい、家を守りたい。
動くとしても、通帳など大事なものを揃えるなど準備に2時間はかかると言われている。そうしたことも見越して、早めに具体的な行動を示し、促すことが重要だ。

実は私の実家は九州で、しかも長崎水害で浸水被害に遭ったこともあるエリアにある。だから母親に昨日の朝早くに連絡を取り、
5日と6日は近くの鉄筋コンクリート造の建物の4階に住む妹の家にいてくれと呼びかけた」。

「世の中の100人のうち、30人は何かあったら避難する人、40人は周りを気にして、周りが動けば動く人。
あとの30人は“自分は大丈夫だ”と思い込み、訓練にも出ない人。そこに入らないようにしていただきたい」。
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