アイヌの女性が口元などに施す入れ墨の美しさを知ってもらおうと、化粧で入れ墨を再現した写真などの展示会が白老町で始まりました。

アイヌの女性が口元や手に施す入れ墨はアイヌ語で「シヌイェ」と呼ばれる伝統的な風習ですが、かつて明治政府から禁止され、今ではほとんど見られなくなりました。

写真展は、旭川出身のアイヌの女性、マユンキキさんがシヌイェの美しさを多くの人に知ってもらおうと、長年、アイヌの人たちを撮影しているカメラマンの池田宏さんと共同で企画しました。

マユンキキさんは、おととしから道内各地のアイヌの人たちに聞き取りをして調べたさまざまなシヌイェの色や形を化粧で再現しています。

会場には、再現したシヌイェを写真に収めた作品のほか、シヌイェの染料として使われたアオダモやシラカバの皮などの資料およそ30点が展示されています。

札幌市から訪れた30代の男性は「アイヌの女性が入れ墨を入れる文化を知らなかったが、色がきれいだと思った。もっとアイヌの文化を学んでみたい」と話していました。

マユンキキさんは「今ではなくなってしまった風習と考えられているが、シヌイェの美しさを多くの人に知ってもらいたい」と話していました。

写真展は白老町で開かれている飛生芸術祭のイベントとして、大町3丁目の空きテナントで今月22日まで開かれています。

09月11日 20時12分
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200911/7000024714.html
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