接近する無人機やドローンを撃退するため、米海軍は艦艇への対空レーザーの装備化を進めている。昨年11月には無人機のセンサーを無力化できる「ODIN(Optical Dazzling Interdictor)」をイージス駆逐艦「デューイ」に初搭載し、実用試験に着手した。さらに、より強力な対空レーザー兵器「HELIOS(High Energy Laser and Integrated Optical ― dazzler and Surveillance)」の開発も進める。こちらは無人機だけでなく対艦ミサイルも撃ち落とせる威力を持たせ、新たな近接防御兵器(CIWS)とする計画だ。


◆ODIN

 米海軍は昨年11月、「アーレー・バーク」級イージス駆逐艦の55番艦「デューイ」に新開発の対空レーザー兵器「ODIN」を装備し、実用試験に着手した。設置場所は艦橋構造物前のバルカン砲CIWSが搭載されていた個所で、米海軍では「無人機に対処するため、新たな能力を艦艇に付加するものだ」と説明している。

 今日、小型無人機へのミサイル搭載が進んでいるほか、爆弾を積んだドローンを体当たりさせる「特攻ドローン」も登場している。これら小さな目標を艦載砲やバルカン砲で撃ち落とすのは難しい。さらに高価な対空ミサイルは費用対効果の面から割に合わないとして、安価に運用できるレーザー兵器への期待が高まっている。その新装備第1弾がODINだ。

◆HELIOS

 一方、米ロッキード・マーチン(LM)社が艦載兵器として開発中の「HELIOS」はより強力な対空レーザーだ。米海軍の近接防御兵器(CIWS)であるバルカン・ファランクスの後継装備を目指しており、2021年にはイージス艦「プレブル」に初搭載し、本格的な試験に着手する計画だ。

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