財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の歳出改革部会が26日開かれ、文部科学省が予算要求している小中学校での少人数学級の導入について議論した。事務局を務める財務省は学級規模が学力に与える影響について「規模の縮小の効果はないか、あっても小さいことを示す研究が多い」とする資料を提出。委員の議論でも、全国一律の少人数学級の導入には否定的な意見が多数を占めたという。

 議論は非公開で行われた。終了後に記者会見した土居丈朗会長代理(慶応大教授)によると、委員からは「新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点で少人数学級の推進は必要」「少人数であれば教育の質が良いとは限らないので、メリハリをつけるべきだ」と賛否両論があった。土居氏は「大勢としては、一律的にクラスの生徒数を減らす形の少人数学級を進めるべきだという意見はなかった。教育効果の観点からすれば、必ずしも十分な効果は得られないと私も認識している」と述べた。

 文科省は来年度予算の概算要求で、小中学校での少人数学級の段階的な実現に向けた経費を、金額を示さない「事項要求」として盛り込んでいる。政府の教育再生実行会議のワーキンググループも関係省庁に少人数学級の導入を促すことで合意している。【大久保昂】

毎日新聞 2020年10月26日 20時22分(最終更新 10月26日 20時22分)
https://mainichi.jp/articles/20201026/k00/00m/010/262000c