米、パリ協定から正式離脱 政権交代なら復帰も
2020年11月04日21時20分

 【ワシントン時事】米国は4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から正式に離脱した。国際協調に背を向けるトランプ大統領が昨年11月に国連に離脱を通告していた。ただ、3日に投開票が行われた大統領選では、環境を重視する民主党のバイデン前副大統領が協定への復帰を明言。どちらが当選するかで、パリ協定の実効性が大きく左右されることになる。<下へ続く>


 パリ協定は、全ての国が温室効果ガスの排出削減目標を国連に提出し、5年ごとに見直しながら、今世紀後半に世界の排出実質ゼロを目指す枠組み。2016年11月4日に発効した。米国は中国に次ぐ世界2位の排出大国。民主党のオバマ前大統領と中国の習近平国家主席が批准を共同発表し、早期発効を後押しした。

 だが、地球温暖化に懐疑的なトランプ氏はパリ協定について、米国の負担が大きいとして「極めて不公平」と批判。発効直後に行われた前回の大統領選で、協定離脱を公約に掲げて当選した。昨年11月4日に国連に離脱を通告。その1年後に離脱が正式に完了する規定となっていた。パリ協定から正式に離脱するのは米国が初めて。
 バイデン氏は温暖化問題を「安全保障上の重大な脅威」と位置付け、パリ協定に復帰した上で「中国に協力を求める」と公約。米国と世界が遅くとも50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすべきだとの専門家の意見を支持するとしており、同氏が勝利すれば、同じ目標を掲げる日本や欧州と足並みをそろえる可能性がある。

https://www.jiji.com/sp/article?k=2020110400922&;g=int