米大統領選でバイデン前副大統領の当選確実が報じられてから6時間以上が過ぎても、ロシアはほぼ沈黙を保っている。4年前の米大統領選で、トランプ大統領の当選確実が報じられた直後にプーチン大統領が世界に先駆けて祝電を送った時とは対照的な対応で、バイデン氏の出方を見極めているようだ。

 ロシアは2014年のウクライナ危機後、当時の米オバマ政権との間で冷戦後最悪と言われるほど関係が悪化した。そのため、16年の米大統領選ではプーチン氏に好意的な姿勢を示していたトランプ氏への期待が高まった。米国でトランプ氏の当確が報じられると、プーチン氏は直後に「ロ米関係の危機的状況から脱するための共同作業に期待する」とする祝電を送った。

 だが、プーチン氏が期待した米国との「対等で相互に敬意を持ち合う」関係は築けず、関係はむしろ悪化。米ロ間で唯一残った核軍縮条約の新戦略兵器削減条約(新START)も、来年2月の期限切れが迫る。ロシアはバイデン氏の動きを見守って、反応を控えているようだ。

 タス通信によると、ロシア下院のスルツキー国際問題委員長は8日未明、バイデン氏の当選について、「米国の対ロ政策に大きな変化は期待できない」とコメント。ただ、核軍縮などを巡る交渉では建設的な議論への期待があるとも指摘した。(モスクワ=石橋亮介)
 米大統領選でバイデン前副大統領の当選確実が報じられてから6時間以上が過ぎても、ロシアはほぼ沈黙を保っている。4年前の米大統領選で、トランプ大統領の当選確実が報じられた直後にプーチン大統領が世界に先駆けて祝電を送った時とは対照的な対応で、バイデン氏の出方を見極めているようだ。

 ロシアは2014年のウクライナ危機後、当時の米オバマ政権との間で冷戦後最悪と言われるほど関係が悪化した。そのため、16年の米大統領選ではプーチン氏に好意的な姿勢を示していたトランプ氏への期待が高まった。米国でトランプ氏の当確が報じられると、プーチン氏は直後に「ロ米関係の危機的状況から脱するための共同作業に期待する」とする祝電を送った。

 だが、プーチン氏が期待した米国との「対等で相互に敬意を持ち合う」関係は築けず、関係はむしろ悪化。米ロ間で唯一残った核軍縮条約の新戦略兵器削減条約(新START)も、来年2月の期限切れが迫る。ロシアはバイデン氏の動きを見守って、反応を控えているようだ。

 タス通信によると、ロシア下院のスルツキー国際問題委員長は8日未明、バイデン氏の当選について、「米国の対ロ政策に大きな変化は期待できない」とコメント。ただ、核軍縮などを巡る交渉では建設的な議論への期待があるとも指摘した。(モスクワ=石橋亮介)

朝日新聞 2020年11月8日 11時15分
https://www.asahi.com/articles/ASNC83J9GNC8UHBI01Y.html?iref=comtop_7_04